2020年10月16日金曜日

サンダーバードと、越前の夜。


旅の初日。


まずは新宿からバスで羽田空港へ。

確か、西口に乗り場があったはずだ。


念のため調べてみると、乗り場は「バスタ新宿」に

移転したらしい。危なかった。


羽田空港から小松空港までは1時間ほどだ。


飛行機でこんなに感慨深いのは初めて乗った時以来かもしれない。

もともとこれだけ大きく重いものが浮くことが信じられないことに

加え、関わる人たちのことを思うと、本当に容易じゃない。


「飛ばしてくれてありがとう」


そして、これから遭遇する未知への興奮。


「北陸どうでしょう」と名付けた今回の旅の幕開け。


小松空港に到着したらバスで福井まで行くつもりだったのだけど

運休とのことで、まず小松駅へ。そこから特急サンダーバード。












特急券を買うのに並んでいたら、駅員さんがわざわざ出てきて

並んでない方で帰ると教えてくれる親切さがうれしい。


過去に通過したことはあるのだろうけど、自分の中では未踏の地

である福井はどんな所だろう。





 







福井は路面電車が走る街。

大連を思い出して、もうそれだけで十分親しみを感じられる。












初めて来た街をなんとなく歩くのが好きで、

特に少し細い道。


ホテルにチェックインすると、地域共通クーポンを

もらえた。












これを持ってまた歩き回る。

どうやら、使えるお店は多くない印象。


ただ、使える場所を探して選択肢が狭まるのは

どうも違うと、最終的には直感で突撃する。



入ったお店で聞いたら、小さい店ではなかなか

追いついていないそうだ。



美味しい刺身を食べて、最後はやっぱり。












しじみラーメンで締める。


明日からの予定はまた空模様を見ながら決めよう。




2020年10月12日月曜日

まだ一年、もう一年。


一年。


2019年は台風の日だった。

2020年の空はとても青く、優しい風が吹いている。


父が台風に連れて行かれてしまったその日、
近くにいることができなかった。


今年は巡り合わせで、父がいるはずの家で過ごす。


できることは、思い出すことだけだろうか。



当たり前の存在のありがたさ。


特にこの2020年は、移動が自由にできないことで
近くにある、会えることに目を向ける機会になった。


今を見るということ、
できることをやってみる、
晴れている日には外に出て走る、
目の前にあるものをありがたく受け入れる。


長いようで、あっという間の一年。


今日の積み重ねは何かを失い、何かが得られる。

同じようで、変わっている。


それでいて、十年経ってもあせない。













2020年9月28日月曜日

異質で広げる世界


中華圏で2012年から仕事して生活してきた。


異文化で現地の人たちと一緒に何かをやるという
ことは、思ったようにいかないこともある。



自分の経験から言えることは、


「人として同じだという前提を持ち、違いを受け入れること」


通じ合える、ギャップは埋められるという意識を持つ。


逆に、


「最初から違うのだという前提で、同じところを評価する」


こうしてしまうことは、相互理解を放棄するのと同じだ。


違うと最初に決めてしまうことは、
受け入れているようで
受け入れていないどころか、
「自分が正しい」と
考えてしまっている際によく起きる。


大事なことは、目線を合わせるということだと思う。


同じ場所に立ち、優劣はない。


異なることや違うこと、未知の価値観を恐れ敬遠しないこと。


日本国内にいても、これからますます多様な価値観に触れる
機会は増えていくはず。


壁を作らず、異なる何かで世界を広げるきっかけに。



2020年9月13日日曜日

台湾ドラマ『一千回のおやすみを』で学ぶ中国語


台湾ドラマ『一千回のおやすみを(一千個晚安)』

をNetflixにて視聴しました。


映像が美しく、二度行ったことがある台湾に

また行きたいという気持ちが高まるとともに

中国語の台詞も魅力的だったので、いくつか紹介します。



※実際に台湾で用いられるのは繁体字ですが、

広く学ばれている簡体字で書きました。

日本語訳もNetflixの字幕訳とは違い、オリジナルで翻訳。



人生啊,每每走到某个关卡的时候都会想回到原点。

找回从前那个用不改变的东西,重新整理再出发。


人生において、次のステージに進もうとする際には

いつも原点に帰りたくなるものだ。

ずっと変わらないものを見つけ出し、整理して再出発するために。



人生的旅行最重要的就是学会照顾自己的心。

要先把心放在一个正确的定位上。


人生という旅路において最も重要なのは、自分の心に注意深く

向き合えるようになることだ。

まず心をあるべき場所に置かなければならない。



这个岛上的山很高,还很宽。但最美的风景是人。

美在故事,美在人心。


この島の山は高く、そして雄大だ。しかし、最も美しい景色は人。

人が生きてきた証や、人の心に美しさが宿る。



家是一生中最美好的地方。是你不论出门走得多远,

最终一定会回去的原点。


自分の根がある故郷は一生でかけがえのない場所だ。

どれだけ遠くまで離れたとしても、最後には必ず帰る原点。



まさに台湾の美しさや人の優しさにあふれている

ドラマで、オープニング曲も耳に残りました。







台湾の中国語は標準とされる普通話と比べると

日本人には発音がしやすく、スピードも大陸と比べると

少しゆっくり感じられるので中国語を勉強している方に

台湾ドラマはオススメです。




2020年8月25日火曜日

パンダ中国語学校との提携プログラム


中国語コーチを行っている中で
より広いレベルへの対応とニーズに応えるため
大連のパンダ中国語学校と提携しました。


オンライン中国語教室


中国語を学ぶ目的や、特に伸ばしたいスキルによって
オーダーメイドで適した学習プランをご提案します。


また、渡航が自由にできるようになれば
大連への短期留学なども組み合わせて実施が可能です。


・中国語と合わせて文化や習慣の違いも踏まえて
 コミュニケーションを取れるようになりたい


・少し空いた時間を使って中国にいる講師と
 会話や発音を重視したレッスンを受けたい


・今後中国に留学や仕事の機会を創りたいので
 現地の情報収集もしながら勉強したい


それぞれ希望に合わせて講師や教材の選定と
レッスンの内容のすり合わせを行います。


<お問い合わせ>
リレーワークス株式会社
https://www.relayworks.jp/contact

Twitter*DM
https://twitter.com/Hi_D_Tsuruoka


お気軽にご連絡ください。



2020年8月12日水曜日

未知とメンタル


7月から走るようになって、すっかり習慣になった。

しばらくステイホームで運動不足なのもあり、
はじめはペースもわからず苦しかった。


そこで、ある疑問が生じてきた。



たとえば、
100メートルしか走ったことがないのに
ある日10キロを全力で走れ
と言われたらどうなるだろう。


ペース配分も距離の感覚もわからない中で
ベストを尽くすというのは簡単ではない。


100メートルの全力を基準にしながらどこまで
行けるのか試していくしかないからだ。


結果、途中で力尽きて止まってしまうかもしれない。


それを「メンタルが弱い」と言うだろうか。


スポーツの場面ならば、逆に賞賛されるかもしれない。


ただ、日常やビジネスにおいてはそうではないだろう。
できないことを精神力やストレス耐性の弱さで
語られてしまう場面は少なくないように感じる。


メンタルは目に見えないが、人の資質として
ある種の指標になっているが、本当に
それがふさわしい場面なのかどうかは見極めが必要。


知っているか、知らないか、に起因することもある。


そのギャップの存在に気づいているか。


中国語では、コミュニケーションの意味に
“沟通”の字を用いている。


日本語にすると、「溝を通す」だ。


つまり、ギャップが存在するところに
何かしらの手段で歩み寄り、意思を通じ合わせる
行為がコミュニケーションなのだ。


自分で勝手に相手も同じだという前提を勝手に
作り、思い込んでいないか。


違いを認めることが第一歩。























そして、走り続けることができる時間や距離を
これから伸ばしていけるか。


メンタルに頼らず、
新しい領域を少しずつ知っていきたい。



2020年7月12日日曜日

中国語のコーチはじめました


中国語を使って、中国語圏の人たちと
意思疎通する。


言語はお互いが違うということを認めた上で
理解し合うためのツールなのだと思います。


異文化コミュニケーションの中で言葉は
重要ではあるけれど、全てではない。


直訳しても伝わらないニュアンスもあるし
文字だけではわからないことがたくさんある。


言ってみれば文字というのはコミュニケーション
の場面においては氷山の一角でしかない。


では、その下には何が隠れているのか。


習慣

文化

歴史


そして、それらを生み出した地理的特性や
気候も関係してくるかもしれない。


全てを知ることは難しくても、その存在を意識
すること、


同じように自分が発する言葉にも大きな背景が
隠れていることを自覚すること、


それだけで解釈に思いやりが生まれてくる。



これは、外国語というよくわかる違いのみならず
言葉を使う以上、認識として持っておきたい。



そして、今回中国語を教える上では
日本人だからこそ日本人に伝えられることもある。



ネイティブではないから、正確な発音や流暢で
こなれた言い回しはできない。


ただ、自分が学習する上でどのようなところに
苦労したのか実際に使う上で感じたことなども
実例として話すことができる。


自分自身、根元にあるのは
もっと中国語が上手くなりたいということよりも
中国で仕事をして生活する機会があって
もっと、文化やそこで生きる人を理解したいと
いう強い思いだ。


なのでテストのための語学ではなくて、
自分がそれを使って何かをしている場面を思い浮かべる
ことができるような人に伴奏しながらコーチする。


まさに今月から学びはじめた、生徒さんは
中華街で知っている中国語をどんどん使って交流を楽しむ人。


きっと、どんどんと遠くまで行けるようになる。


自分も、教えることを通して学べるんだ。



2020年5月26日火曜日

『売上を、減らそう。』の世界観


発想の転換。


経営者がどうあるべきか、のイメージが
どれだけ強いものか。


増収増益

右肩上がり

店舗拡大


などなど、いわゆるそれができると
「成功している経営者」と呼ばれる。


新聞や広告でもよく見かける会社が思い浮かぶ
からだと思う。


実際には、経営者はもっと身近な存在だ。


自分の祖父母は商店街で鞄屋の経営をしていた。

家と店舗が一体で、生活の中に経営があった。


そのような商店は生活に密着している。


外部要因によりリモートワークなるものが
一気に普及した現在とこれから。


都心の職場経済圏は郊外や地方の住居まわり経済圏
に移っていくだろう。


近くで買えないものは、ネットで買えば自宅まで
届けてくれる。


『売上を、減らそう。』






















国産牛ステーキ丼専門店の佰食屋の経営者
中村朱美さんの経営哲学が書かれた本だ。


いくつか印象に残った点がある。


<採用>

一般的に多くの企業が欲しがるだろう
自発的でハキハキ意見を言えるような人は採用しない。

それは諦めているからではなく、ふさわしい人を
採用するために組織の特性を理解しているから。

「自己分析」は、求職者(特に学生向け)に
よく使われる言葉だが、組織に対しても必要なものだ。


<業務>

やるべきことは、誰にでもできるようなことに
単純化されていて中でも向き不向きでアサインする。

そうすると、考えずとも当たり前のように確実に
業務が進んでいく。

シンプルな仕事は発展性がない、すぐ飽きる、
機械に取って替わられるというのが最近の風潮。

何も考えずにできるようになると、人はさらに
当たり前の精度を高めるし、
頭を使わなくてもいい分、他のことを考える
余地を生み出せる。

これはきっと、今のAIではできないことだ。


<決断>

言葉の通りに、「やらないこと」を決めていく。

削ぎ落とすプロセスには、常識と思われていること
が障害となる。

できるかどうかわからない拡大を目指すよりも
自分たちに見合ったアウトプットを出し続ける
という選択。

削り落としたことで、得られる時間。

「安定的に低空飛行して、絶対に黒字を出す仕組み」

という言葉に集約されている。



特に上の3つのポイントが印象深い。


自身の起業体験と重なる部分も多い。

2016年に中国で起業。


思ったように伸びない売上、
そして社員に報いることもできず。


売上目標をクリアしていくスタイルから
今の体制で、外部要因の波があっても
継続できるように変化させていった。


2020年世界を襲った大きな衝撃に
耐えうるかどうかは正直なところ不明だ。


ただ、きっと自分にとっては変化の機会に
なると思っている。


持続的に、生活と共にある経営。


仕事に出かける

から

仕事と共に暮らす

へのシフトチェンジは
世界で既に起こっている。



2020年5月24日日曜日

いつからでもはじめよう


日本にいる期間が長くなり、
基本的に家にいることが多い日々。


オンラインでの飲み会もおもしろいし、
そんなに出かけなくても、だんだんと
その過ごし方を自分なりに磨いていくものだ。


その一つとして、
映画をたくさん観る、
もいい。


インド映画が好きで、探していたら見つけた。
舞台はニューヨークなのだけど。


『マダム・イン・ニューヨーク』


ニュージーランドで英語学校に行っていた時
のことを思い出し、楽しい気分になった。

















はじめて行った海外。


行く時はシンガポール航空のCAさんが
何を言っているのかもわからず。


ノープランで現地に着いてから結局
英語学校に通うことにした。


アジアやヨーロッパから来ている人たち
と唯一コミュニケーションができる手段として
英語を学び、使うおもしろさを知った。


















外国語は使うためにあるんだってことに
気づいてからは上達がとても速かった。


そして何より毎日が楽しかった。

















ホームステイという体験も、もちろん初。

部屋が広くて、
あと、電圧のせいかお湯が電気であっという間に
沸くのをみて驚いた。


夜には南十字星を探してみたり。


ラグビーを観たり、チームに入ってプレーしたり。


そうそう、ニュージーランドを選んだのは
ラグビーを感じたいからだった。




そんなことを、映画を観ながら思い出した。


そして、今になって
これから全く新しいことを学ぶのもいいんだなって。


きっと楽しめる。



2020年5月12日火曜日

「はたらく」から、「はたがく」へ。


「はたらく」という言葉の起源は
「はた」を「らく」にすること。


つまり、自分の周りの人たちのため。


人はもともと、自分が生きていくために
食糧を得ていた。

それが家族や部落といった単位で分業に移行し、
誰かのため汗水を垂らすようになる。

チームプレーの狩猟や農耕のはじまり。


このイメージは人間に深く刷り込まれているようだ。


だからか、仕事は苦しくないといけないという
何かしらの圧力が少なからず存在するように思う。


『アリとキリギリス』や『ウサギとカメ』
の話もそうだ。


それぞれ、コツコツ地道に努力することが勝ち残る
要素として教えられる。


これを教育の中で行うことで、勤勉さは育まれてきたし、
実際日本においては経済成長の原動力となった。


その要素が強く求められていたからだ。


ただ、現代はどうだろう。


仕事をする上での土俵環境が短い期間で変化する。


一つのことに地道に打ち込んでいても、
身に付けたスキルの応用だけでは立ち行かなくなる。


ここでまた、
『アリとキリギリス』と『ウサギとカメ』の話に戻る。


これらの話の解釈は現実においては、

音楽の才能を発揮したキリギリスが多くの人を喜ばせ

天性のバネを活かしたウサギはスポーツ競技で活躍する。


つまり、自分の強みで勝負すれば良いということ。
そして、必ずしも苦しそうに見える必要はない。


干支でネズミが最初になったのはレースに勝ったから。
その勝ち方は、猫を騙し、牛の背に乗って力をためた。


ネズミは自分理解と敵の分析をもとに
どうやったら勝てるか戦略を練り、結果を出した。


それを結果として、今も認められている。
(その代償として猫に追われ続けているが)


自分を犠牲にして、報酬を得るのではなく
それぞれが強みを発揮して自分や誰かを喜ばせる


そのことが糧となる。


じらく:自分を楽(らく)にする
はたらく:まわりの人たちを楽(らく)にする


じがく:自分を楽しませる
はたがく:まわりの人たちを楽しませる

ここでの「がく」は音楽のがくと同じ。


もう一つ。


「楽しもう」という言葉には、
前に(苦しいんだけど)が隠れている。


ラグビーの練習を思い出すと、
一番辛いメニューの時はみんなで
「楽しもう」、「顔上げよう」って声かけて。

もちろんその間はちっとも楽しくない。


ただ、終わった後のやりきった、
乗り越えた充実感には、「楽しかった」が潜んでいる。


「はたらくを楽しもう」という言葉をブランドスローガン
にする会社を選んだのは、凝縮された時間を過ごしたい
という思いがあったからだと思う。


そこから一歩進んで、「はたがく」のススメ。