本棚にある『深夜特急』が気になる。
そう言えば、ドラマ化されているのを思い出して
アジア編を視聴。
旅のスタイルの違いに気づく。
初めて海外に出たのはいつだったか……2000年のことだ。
携帯電話はもちろん海外では使えない。
その時初めてフリーメールのアドレスを取得したけれど
ノートパソコンを持っていなかったし、
たまにインターネットカフェに行ってメールを送受信するだけ。
カメラもフィルムだから、撮影したら写真屋さんでプリントして
初めて写り具合がわかる。
その便利じゃない部分での良さ、もある。
旅に出ることは、日常をシャットアウトすることでもあった。
要するに、家族からも友人からもすぐに連絡がつけられない。
絵葉書・手紙・メールも、いつ読まれるのかやいつ返事が来るのか
わからないからこそ、返事が来た時のうれしさが大きかった。
知らぬ間に、スマホなるものができた。
宿泊先にはWi-Fiがあり、SIMカードを買えば
外を歩いている時にもメールが届き読むことができる。
撮影した写真はすぐに共有することができ、ビデオ電話で顔を見ながら
話すこともできるようになった。
今はどこに行こうとも、日常から完全に切り離されることはなく
(意図的にシャットアウトすることは、もちろんできる)
日常を持ち歩きながら旅ができるようになった。
いつからか、というよりも
いつの間にか、という方がしっくりくる。
人は少しずつの変化には気づかない。
例えば、昨日と今日の
体重の変化や、
髪の長さや、
草や木の大きさなど
この変化の中にいつでもあるということだ。
そのスピードが速くなるのが、予期せぬことが起きた時。
現在、世界で蔓延している新型肺炎のこともそうだ。
通常なら3ヶ月前を振り返ってみても、季節の変化を除けば
大きな違いに気づきにくいかもしれない。
今から振り返ると3ヶ月前には全く考えていなかったことが
起きているし、それだけ変わったこともあるように見える。
それは何かを手離して、その手で何か新しいものを掴む
過程にある、ということではないかと思う。
旅をするなら、
敢えて昔スタイルでデジタルな物を持たずにということも
選ぶことができる。
今だからこそ、をフルに活用して楽しむ旅もいい。
そんなことを、『深夜特急』から考えた一日。