2010年4月25日日曜日

市場と向き合う


-自分の市場価値知ってますか?-

転職相談に来られる方から自分の市場価値を知りたいと
言われることが多いため
今回は転職における市場価値について書いてみたいと思います。

市場価値という言葉からもわかる通り、
全ては需要と供給の バランスにて判断されます。

新卒で言えば2006年~2008年入社あたりの方は
比較的売り手市場という言葉を耳にしていたのではないでしょうか。

一方で、それ以前の1990年代後半~2005年は一般的には就職氷河期と
呼ばれることが多いかと思います。
(ただ、就職氷河期といってもその時期に採用が多かった業界なども

もちろんあります。一般的には超大手と呼ばれる企業の採用数が全体で
少ない年が氷河期と呼ばれているようです)

要するに、同じ年齢・同じ能力
(新卒の場合わかりやすい指標としては学歴)
であっても企業からの採用ニーズが高い時と低い時で見られ方は
全く変わるということです。これが就職・転職における市場価値です。

よく市場価値=年収だと思っている方がいますが、そうではないのです。

転職になると自分が今までやってきた経験と年齢が
どれくらい求められるのか によって決まります。

また、企業の組織の人口構成によっても決まってきます。
これは例えばメガバンクなどでは2000年入社あたり(今の30代前半)
は採用が絞られていた時期のためできればこの年代を欲しがり、
逆に大手金融機関全般が新卒大量採用を行った2007年あたりになると
この年代で中途で入るのは難しいというようなことです。

以上のことから、転職市場価値の高低を表してみると、
採用の多い職種×従事している人が少ない×企業が一番欲しい年代
の掛け合わせが 一番転職市場価値が高いと言えるでしょう。

しかしながら、一般的には採用の多い職種は従事している人が多いため、
その中でどうやって他者と差をつけていくかがポイントになります。

市場価値は景気にも大きく左右されます。

その中で一番市場価値が高くなる時にちょうど転職ができるとは限らず
会社の都合で突然市場と向き合わないといけないこともあると思います。

大切なことは会社主体のキャリアから、
自分主体のキャリアを志向することです。

自分が身につけてきた経験やスキル、人脈は社内でしか通用しないのか
社外でも通用するものなのか見極め、
社外でも通用するものを積み重ねていきましょう。



2010年4月20日火曜日

何の安定を求めますか?


『新入社員の安定志向くっきり』(4月20日/日経新聞より)

日本能率協会による新入社員意識調査の結果です。


「実力・成果主義」よりも「年功主義」を選んだ人が多かったとのこと。

はたして新入社員が「実力・成果主義」と「年功主義」を
どのように認識しているのかはわかりませんが
学生が会社選びの際に、自分が長く働ける環境を求めている
ということを表しているのかもしれません。


安定志向というと、会社の経営が安定しているところで働きたい
ということが一般的かもしれませんが、
今の新入社員が60歳になる頃(2050年頃)まで存続している会社は
どれくらいあるのでしょうか。


希望していてもしていなくても、おそらくほとんどの人が転職を
経験することになるのではないかと思います。

そうすると、会社に頼り、会社の安定を求めるのは危険かもしれません。


それであれば、自分を安定させるという考え方もできます。

会社に頼らなくてもよい、広く通用する経験やスキルを身につけるか、
自分にしかできないこと(秀でていること)を見つけて伸ばすことです。

会社の安定は自分ではコントロールできません。

自分の安定は自分でつくることができます。




2010年4月18日日曜日

志ある『人』が企業を育てる


最近、人材面に関して明るい記事が増えてきました。

具体的には早期退職や解雇という言葉より採用増加・育成強化
などのキーワードを見ることが増えてきたように感じます。

実際2月と3月は大手人材紹介会社は軒並み業績が良く
インテリジェンスでも、久しぶりに社内で目標達成という言葉が
多く聞こえていました。

マーケットは回復したのでしょうか。
日曜日の日経新聞には求人広告が出ていますが、
出ているのは金融・コンサルなど専門職がほとんどで、
数も以前と比べてまだ増えているということはなさそうです。

また、気になった記事で企業の数が減っているというものがありました。
(社説:「元気な経済」考/若い企業と伸びる事業にもっとお金を)

2004年から2006年にかけて年平均で全企業の6.2%が廃業。
それに対して開業した企業の比率は5.1%。
上場企業数も2006年末の2416社が2009年末に2334社に減少。

記事では資金面で企業を育てるということを中心に書いてありますが
チャレンジ精神を持つ人たちを、力が発揮できる環境に振り向けるのは
キャリアコンサルタントの仕事であり、
人材面においては中途採用だけでなく新卒、学生へのキャリア教育など
やれることがたくさんあると感じます。

特に、新しい企業は知らないから受けていないだけかもしれません。

例えば、今のトヨタやソニーだって創業期は小さい会社であり
そんな会社の創業期や成長期を経験して自分も成長したいという人も
多いのではないでしょうか。

もう少し若い会社でも楽天やDeNA、ミクシィやグリーなど知ってれば
創業期に入りたかったという人はいるでしょう。

もちろん上記のように大きく成長する企業ばかりではないからこそ
今のような時期には敬遠されがちですが、
大事なことは、チャレンジした人たちを社会が認め、
評価することなのではないかと思います。

そして、もしかしたら将来日本を代表するような会社が
今まさに生まれているところかもしれません。



2010年4月14日水曜日

思い出す就職活動の春


今日は土曜日出社の振替休日で、大学の図書館に行ってきました。

平日休みの時は大学の図書館に行くことが多いのですが、
図書館で読書や英語の勉強などもしつつ、
大学生の時に考えていたことなどが突然思い浮かんだりします。


そしてこの時期4月は一番キャンパスに学生が多い時期。
スーツで就職活動中の人も見かけます。

職業病なのか、就職活動うまくいっているのか
どうしても気になってしまいます。


自分の時はどうだったか、、、
心理学を大学院で研究していたので、
教育関係に行こうか、人材関係に行こうか、
メーカーなどの人事なども受けていました。

大学院の博士課程や高校の教員なども考えたのですが、
企業で働くことは今選ばないとできないと思い就職活動しました。

その中で、どうせなら1年で3年分位の経験を積んで
既に働いている大学の同期にも追いつき追い越したい
と思うようになり、今の会社を選びました。


もう一つ、決め手になったのは選考が楽しめたからです。

最初のセミナーでは若くて元気のいい社長が
「志望動機は聞かない」と言い放ち、
その後の選考の中では志望動機を聞かれることは一切なし。

一番自分が自然体で望むことができ、内定をもらえたので
ここならやっていけるはずだと思いました。


その会社で気づいたら、もう5年。

人材紹介の法人営業を2年半、キャリアコンサルタントを2年半。

300名以上の転職場面に立ち会うことができ、
お客様にもいろいろ教えてもらいました。


この5年。
10年分位の経験は積めたのだろうかと改めて思った一日でした。


時々は思い出がつまった場所に行ってみるのもいいかもしれません。

自然と何かしらの感情に気づくと思います。



2010年4月5日月曜日

相思相愛の秘訣:事例から探る面接対策法


一生懸命自分の気持ちを伝えているのに、
なぜか面接が通らない。


そんなことはありませんか?



多くの会社を受けていて、
残念なご連絡ばかりが続いてしまうと、
そのうちどうしたら面接が通るのか、
全く分からなくなってしまうこともあると思います。


そういった時は、一旦立ち止まって考えてみましょう。


「なぜ自分は次の面接に呼んでもらえなかったのだろうか?」



※直近1月~2月の面接お見送り理由:

・志望動機が明確ではない 28.7%

・社風とお人柄が合わない 24.6%

・スキル不足 15.0%

・論理性に欠ける 12.3%

・説得力に欠ける 5.4%



そして改めて、
自分に足りないことは何かを見直してみてください。


直近での面接のお見送り理由の中で一番多いのは
「志望動機が明確ではない」です。


一生懸命説明をしているのに、
なぜそんな風に捉えられてしまうのでしょうか?

それは、
気持ちが一方通行になってしまっているからかもしれません。


自分はこんな人間で、こんなことが出来ます、
という気持ちを伝えることはとても重要ですが、
時に相手がそれを求めていないこともあるのです。


大事なことは、
相手がどんな方を求めているのかを想像して、
出来る限り理解し、
それに対してどれだけ自分が当てはまっている人間なのか
を伝えることです。


そのために2つのことを準備しましょう。


◆企業を知る

・会社のホームページを見て会社の概要を理解する

・業界について調べて今後の展開を探る

・競合他社と比較をしたときの強みを知る

・仕事内容でどんな業務を任せてもらえるのかを理解する


上記を調べた上で、

「どんな志向性で、
どんなスキルを持っていて、
どんな性格の方が合うのか」

を想定します。


次に、自分がどれだけ当てはまっているのかを考えてみましょう。


◆自分を知る

・なぜその大学/学部を選んだのか整理する

・なぜこの会社を選んだのか整理する

・仕事の中でどんな工夫をしてきたのかをまとめる

・やりがいに感じたこと、喜びを感じたときについて思い返す


上記の決断において
「一番大事にしてきたこと」は何か振り返りましょう。

ここまでしっかり自己分析を行います。


その上で企業が求めていることに対して、

「自分は過去の経験からもこういう志向性があるから
御社で活躍が出来る」

と根拠を持って伝えてみてください。

必ず面接官の納得が得られると思います。



【企業を知り、自分を知る】
その上で相手が求めている人間にどれだけ自分が近いのか、
ということをアピールする。
それが選考通過の一番の近道です。


好きだからこそ、相手を思いやる。

相手の立場になって考えてみる。

そうすればきっと次はうまくいくはずです。



2010年3月7日日曜日

金融業界によくある転職理由


周囲の人がどんな理由で転職を考えているか、
知っていますか?


今回は、
金融業界出身者がどういった背景から転職を意識するのかを
まとめてみました。


■金融業界出身者が転職を考える理由ベスト5

1位 会社の将来性が不安 14.8%

2位 他にやりたい仕事がある 11.4%

3位 倒産/リストラ/契約期間の満了 7.9%

4位 専門知識・技術力を習得したい 6.1%

5位 顧客のためになる仕事がしたい 5.8%

※調査期間 2009年10月~2009年12月


経済環境を背景に将来性不安が、
転職を検討する第一位になっています。


金融業界では、
統合や事業撤退など業界再編の動きが加速している事もあり、
会社の将来性や雇用に対して不安を感じる方が増えています。


また、金融業界に特徴的に見られる傾向が
5位の顧客のためになる仕事がしたいというものです。


理由は様々ですが、
その中でも多くの方が以下のような理由を挙げられます。


個別商品にノルマが課せられる事があるため、
必ずしも顧客のニーズに応じた商品を提案することが難しく、
その点で顧客志向と目標との両立が難しいというものです。


特に金融商品は形がなく、市場に左右されるため、
市場が不安定な時は難しいということがあるのかもしれません。


そういった思いを持つ人は、
扱う商材を変えた営業職や、
金融業界の中でも

直接営業から間接営業、
新規開拓からルート型、
内勤的な要素の強い業務に

転職の機会を求めるなど、
諸条件よりも、
業務内容を重視して活動を開始する方が多いように思います。


転職活動を開始するとなると、
多くの人が上記のような転職理由の伝え方と
志望動機の伝え方に悩みます。


一般的にネガティブな理由を話しすぎると、
見送りになるケースが多いというのはよく言われています。


しかし、経済状況を考えると、
ポジティブなきっかけから転職を考える
というのも現実的には多くないという一面もあります。


そのため、
転職理由は多少ネガティブでも正直に伝えつつ、
今後やりたいことをきちんと話せるようにしておくということを
強くおすすめすることも多くなっています。



2009年12月13日日曜日

欲しいものは言語化しないと手に入らない


『自分が欲しいものを人に説明できますか?』


現状には課題を感じているし、何かを変えたい、とにかくこのままは嫌だ。
ただ、自分が本当に求めているものはわからない。


最初から絞り込むことは難しいし、間違うこともある。

だったら、いろんなタイプを見て少しずつ気づいていけばいいので、
動いてみよう。

最終的に自分が決断する時には、やっぱり自分が選ぶ理由が欲しい。

それは自分が主体的に選択したということ自体が、
苦しいことも乗り越える力になるから。


人は自分が選んだものに対して、それで良かったんだと思いたい本能がある。

だから選んだ理由が強固であれば、
それだけ覚悟を持ってその道を進むことができる。


それに、欲しいものがよくわからなかったら、
目の前にあっても見過ごしてしまうかもしれない。


キャリアコンサルタントとして、
欲しいものを言語化するお手伝いができれば、
と思います。