2010年5月30日日曜日

ハブ化する個人


週末は土曜日に高校ラグビー部同期のウェディングパーティー、
日曜日はTOEICを受けてきました。

土曜日は久しぶりに高校の同期に会い、
しばらく会っていなくても、濃い時間を一緒に過ごしていることで
感じるつながりはあるな、と思いました。


最近Twitterをはじめてみて、個人と個人の結びつきの重要性は
ものすごいスピードで高まっていると感じています。

昔でいう『コネ』という言葉からは、
どちらかというとネガティブなイメージがあると思います。

(親がどこかの会社の人事に顔が利く、役員と知り合い、など)

企業に入るためのホットライン・特権のようなもので、
自分の能力や努力の結果とは関係のないものとしてとらえられます。

今後は、『コネ=Connection』が個人の持つネットワークとして
企業から評価されてくるようになるのではないかと思います。


個人を中心として、ハブ(自転車の車輪のような)の役割を果たし、
そのハブ機能自体の価値が認められてくるはずです。
それは、個人の日頃の活動の蓄積であり、能力の一部でもあります。


それは、前回のZapposの話にもあるように
個人を媒体として企業のサービスや評判が広がっていく、
この動きが加速しているからです。

また、企業から見て何かが出て行くということだけではなく、
優秀な人材を呼び込むことや、価値ある情報を獲得するという、
中に入ってくる動きも期待できます。

そうはいっても、そんな理由で人と人がつながるわけではなく、
結びつきを強くするには、努力や時間が必要です。


大事なことは、自分の周りにはどんな人がいるのかということを
自分がぐるりと360°見渡して、
自分から外に手を伸ばそうとするかどうかです。

本来の語源との意味はずれますが、
旧知の仲を温めながら、新しい人のつながりもつくっていく
ということで温故知新という言葉がぴったりだと思います。


『温故知新』
【意味】
歴史や古典などをよく調べ、研究することで
新しい知識や見識を得ること



2010年5月23日日曜日

Zapposの衝撃


Zapposという会社を知っていますか?


アメリカの、インターネットで靴を販売している会社です。


インターネットで靴を扱うということ自体
難しい印象がありますが、
顔が見えないインターネット販売で
人と人のコミュニケーションを
大事にして有名になった会社です。



こんなエピソードがあります。


ある女性が、病気の母のためにZapposで靴を購入しました。
しかし、間もなく母は死んでしまったそうです。

その後、Zapposから靴の具合を訊ねるメールが届きます。

購入した女性は、
母親のために購入したが亡くなってしまったので
返品したいと返信しました。

それに対してZapposから返品のための集配サービスが来ます。

通常のルールだと、
返品は顧客が送ることになっているのにも関わらず。

その後さらに、
Zapposからお悔やみの花束とメッセージカードが
送られてきたそうです。

女性は感動し、自分のblogに書き込み大きな反響を呼びました。


これはZapposのコンタクトセンター社員が、
この女性のために一人の人間としてお悔やみの感情を
行動としてあらわしたということなんだそうです。

(この会社のコンタクトセンターにはマニュアルはなく、
 社員は顧客を喜ばせるためには何をしてもいいそうです。)


CEOのトニー・シェイは
「感動のサービス」を提供することを目指し、
「お客さんは、『何をしてくれたか』は覚えていないかもしれない。
でも、『どんな気持ちにさせてくれたか』は決して忘れない」
と考えて会社を育ててきました。


だからこそ、
CEO自らが謙虚に、サービス精神を発揮します。

会社行事が終了すると、自ら箒を持って掃除をするらしいです。

それを見た社員が、顧客に対して精一杯のサービスを提供し、
ブランドを作ってきました。


いろいろと衝撃づくめなのですが、
今後はどの企業であっても
経営者が社員のことを考え、
社員が顧客のことを徹底的に考えられる、
そういった状態でないと生き残れないのではないかと思います。


blogやtwitterなどにより、
個人がどんどん情報発信できるようになり、

個人の感情を揺さぶる何かが、どんどん伝播されていきます。


Zapposという会社が人材サービスを行ったら
どうなるんだろうと思いを巡らせつつ、
キャリアコンサルタントとして顧客の感情を
少しでも動かすことができるようになっていきたいと思います。





このblog写真などが掲載されていてわかりやすいです。




2010年5月16日日曜日

楽しい同窓会にて思うこと


今日は心理学科の同窓会に行ってきました。

卒業以来会ってなかった人が多く、相当久しぶりなんですが
同窓会の会場が大学内、心理学科の図書資料室だったこともあり
違和感なく、昔に戻ったような感覚で時間を過ごすことができました。

結婚をしている人が多く、主婦になった人や、二人こどもがいて
ちゃんと産休・育休をとって復帰した人などさまざまです。

進学した人たちはちょうど博士課程を満期退学のタイミングで
大学講師や教育機関、研究所や医療機関ではたらきながら
博士論文を書くそうです。
(博士号は博士課程の単位と博士論文が認められる必要があります)
仕事は研究室の先輩などから紹介されるケースが多いようです。

あらためて、女性が結婚・出産後も復帰しやすいような社会にすること、
大学院・博士課程など学問を追究する人たちが活躍できる場の幅を広げ、
見つけやすくしていくことが大事だなと感じました。
国という立場からも「人を活かす」観点がもっと必要になるはずです。

今日はZapposという会社について書こうと思っていたのですが
同窓会で思ったことを書きたくなってしまったため、次回に。



2010年5月9日日曜日

点は激流で拾い集める


今日はいい天気でした。

夏のようで、毎週日曜日午前中に行っている皇居ランニングでも
かなり汗をかきました。


最近思うのは、習慣の力はすごいなということです。

新しいことをはじめようとするときには、
定期的に決まった時間にやることがポイントです。

最終的にはその時間になると、多少の葛藤があるにせよ
なんとなくやらずに過ごすと気持ち悪いということになります。

ということでブログも継続して書いていこうと思います。


最近読んだ本で『日本型キャリアデザインの方法』の中の話です。


ビジネスパーソンのキャリアが「筏下り」と「山登り」に
たとえられていました。

10年~20年は筏下り、自分が目指す専門領域を見つけて山登り。
そして、迷ったら筏下りは激流を選ぶ。

これはスティーブ・ジョブズが言うところの『点』を多く作る
ということなのかもしれません。

今自分がやっていることが将来にどうつながるのかわからなくても
いつか振り返ったときに重要な『点』になっているということです。


ジェットコースターも位置エネルギーだけで走り切りますが
最初の落ち方が大きいジェットコースターは長く、高くまで
走ることができます。


そうは言っても、ただ激流を流されれば良いということではなく
その中で自分が得意なことや、どんなことに価値を見いだすか、
そして何をやりたいと思うか、
考えていくことで目指すべき山が見えてくるんだと思います。


追記
先日、お客様よりオススメのテレビ番組を教えてもらいました。

『ハーバード 白熱教室』というハーバード大学でもっとも人気のある
授業をテレビで見ることができるという画期的なものです。

テーマは哲学ですが、おもしろかったです。

教授が言っていることを理解しようと一生懸命聞いていたのですが
相当頭を使わないとわからず、脳のトレーニングになりそうです。



2010年5月2日日曜日

挑戦できるか、失敗できるか。


GWは絶妙なタイミングでやってきます。


新年度がはじまって1ヶ月。

新年から4ヶ月。

振り返るにはちょうどいい時期です。


新しく何かに挑戦してみようと思ったことが
どこまでできているか。

既に失敗してしまったか。

まだ手がつけられていないのか。


もうひとつ。


挑戦させる組織に自分は属しているのか。


多くの会社で挑戦は是とされていると思いますが、
果たして失敗に対してどこまで組織として寛容であるのか。


特に社会人経験が浅い場合には、
挑戦できるかどうかはどんな組織に属しているかに
依存するように思います。


もちろん、
会社としては失敗のリスクは少なくしたい。

それでも、
人材育成のための失敗許容のバッファを持っている会社なら
挑戦できる文化から大きな成功が生まれるように思います。


自分主体で考えること(他責にしないこと)が大事ですが、
本当の意味で挑戦できる個人が増えれば、
日本企業はもっと強くなれるのではないかと思います。


追記
twitterで発見した、スティーブ・ジョブズのスピーチすばらしいです。





2010年4月25日日曜日

市場と向き合う


-自分の市場価値知ってますか?-

転職相談に来られる方から自分の市場価値を知りたいと
言われることが多いため
今回は転職における市場価値について書いてみたいと思います。

市場価値という言葉からもわかる通り、
全ては需要と供給の バランスにて判断されます。

新卒で言えば2006年~2008年入社あたりの方は
比較的売り手市場という言葉を耳にしていたのではないでしょうか。

一方で、それ以前の1990年代後半~2005年は一般的には就職氷河期と
呼ばれることが多いかと思います。
(ただ、就職氷河期といってもその時期に採用が多かった業界なども

もちろんあります。一般的には超大手と呼ばれる企業の採用数が全体で
少ない年が氷河期と呼ばれているようです)

要するに、同じ年齢・同じ能力
(新卒の場合わかりやすい指標としては学歴)
であっても企業からの採用ニーズが高い時と低い時で見られ方は
全く変わるということです。これが就職・転職における市場価値です。

よく市場価値=年収だと思っている方がいますが、そうではないのです。

転職になると自分が今までやってきた経験と年齢が
どれくらい求められるのか によって決まります。

また、企業の組織の人口構成によっても決まってきます。
これは例えばメガバンクなどでは2000年入社あたり(今の30代前半)
は採用が絞られていた時期のためできればこの年代を欲しがり、
逆に大手金融機関全般が新卒大量採用を行った2007年あたりになると
この年代で中途で入るのは難しいというようなことです。

以上のことから、転職市場価値の高低を表してみると、
採用の多い職種×従事している人が少ない×企業が一番欲しい年代
の掛け合わせが 一番転職市場価値が高いと言えるでしょう。

しかしながら、一般的には採用の多い職種は従事している人が多いため、
その中でどうやって他者と差をつけていくかがポイントになります。

市場価値は景気にも大きく左右されます。

その中で一番市場価値が高くなる時にちょうど転職ができるとは限らず
会社の都合で突然市場と向き合わないといけないこともあると思います。

大切なことは会社主体のキャリアから、
自分主体のキャリアを志向することです。

自分が身につけてきた経験やスキル、人脈は社内でしか通用しないのか
社外でも通用するものなのか見極め、
社外でも通用するものを積み重ねていきましょう。



2010年4月20日火曜日

何の安定を求めますか?


『新入社員の安定志向くっきり』(4月20日/日経新聞より)

日本能率協会による新入社員意識調査の結果です。


「実力・成果主義」よりも「年功主義」を選んだ人が多かったとのこと。

はたして新入社員が「実力・成果主義」と「年功主義」を
どのように認識しているのかはわかりませんが
学生が会社選びの際に、自分が長く働ける環境を求めている
ということを表しているのかもしれません。


安定志向というと、会社の経営が安定しているところで働きたい
ということが一般的かもしれませんが、
今の新入社員が60歳になる頃(2050年頃)まで存続している会社は
どれくらいあるのでしょうか。


希望していてもしていなくても、おそらくほとんどの人が転職を
経験することになるのではないかと思います。

そうすると、会社に頼り、会社の安定を求めるのは危険かもしれません。


それであれば、自分を安定させるという考え方もできます。

会社に頼らなくてもよい、広く通用する経験やスキルを身につけるか、
自分にしかできないこと(秀でていること)を見つけて伸ばすことです。

会社の安定は自分ではコントロールできません。

自分の安定は自分でつくることができます。