2010年11月23日火曜日

意思という塊


試合前の天気雨が、今日の激戦を物語っていたようだ。


大学ラグビーの早慶戦。

攻めるアカクロ(赤黒:早稲田)と守るタイガー(黒黄:慶應)。


慶應がこの日のために、ひたすらディフェンス・タックルの
練習をしてきたことは前半ゴールラインを背負っての攻防で
強く、伝わってきた。


どちらのOBというわけでもなく、いいラグビーが観たいと
秩父宮に足を運んだ。


いい試合だった。


個人の突破力が強い早稲田と、乱れず分厚いディフェンスの慶應。

10–8という僅差の試合での慶應の勝利。


組織として慶應が強かった。試合を観ていて、この日のために
何を準備してきたか、これだけは必ずやるんだ、という意思が
グラウンドで一つの塊のように動いているのが見えた。


勝負とは、こういうものなのだろう。

分析に基づいた、戦略。

時間や風向きでチーム全員が同じ事を考えているような、戦術。

十分な練習量に裏打ちされた自信とプライド。


ラグビーは、楽苦備と書かれることもある。

楽しさと苦しさを備えているからだと解釈している。


ただ、経験上は楽しい練習なんてほとんどない。

試合に勝てば楽しいとも限らない。

徹底的に苦しんで、苦しんで、やってきたことを試合で表現する。

その瞬間、仲間と成し遂げることが楽しいのだ。


いつまでもその感覚は忘れずに、真剣勝負を楽しめるように、
日々過ごしていきたい。



0 件のコメント:

コメントを投稿