試合前の天気雨が、今日の激戦を物語っていたようだ。
大学ラグビーの早慶戦。
攻めるアカクロ(赤黒:早稲田)と守るタイガー(黒黄:慶應)。
慶應がこの日のために、ひたすらディフェンス・タックルの
練習をしてきたことは前半ゴールラインを背負っての攻防で
強く、伝わってきた。
どちらのOBというわけでもなく、いいラグビーが観たいと
秩父宮に足を運んだ。
いい試合だった。
個人の突破力が強い早稲田と、乱れず分厚いディフェンスの慶應。
10–8という僅差の試合での慶應の勝利。
組織として慶應が強かった。試合を観ていて、この日のために
何を準備してきたか、これだけは必ずやるんだ、という意思が
グラウンドで一つの塊のように動いているのが見えた。
勝負とは、こういうものなのだろう。
分析に基づいた、戦略。
時間や風向きでチーム全員が同じ事を考えているような、戦術。
十分な練習量に裏打ちされた自信とプライド。
ラグビーは、楽苦備と書かれることもある。
楽しさと苦しさを備えているからだと解釈している。
ただ、経験上は楽しい練習なんてほとんどない。
試合に勝てば楽しいとも限らない。
徹底的に苦しんで、苦しんで、やってきたことを試合で表現する。
その瞬間、仲間と成し遂げることが楽しいのだ。
いつまでもその感覚は忘れずに、真剣勝負を楽しめるように、
日々過ごしていきたい。
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