2010年4月20日火曜日

何の安定を求めますか?


『新入社員の安定志向くっきり』(4月20日/日経新聞より)

日本能率協会による新入社員意識調査の結果です。


「実力・成果主義」よりも「年功主義」を選んだ人が多かったとのこと。

はたして新入社員が「実力・成果主義」と「年功主義」を
どのように認識しているのかはわかりませんが
学生が会社選びの際に、自分が長く働ける環境を求めている
ということを表しているのかもしれません。


安定志向というと、会社の経営が安定しているところで働きたい
ということが一般的かもしれませんが、
今の新入社員が60歳になる頃(2050年頃)まで存続している会社は
どれくらいあるのでしょうか。


希望していてもしていなくても、おそらくほとんどの人が転職を
経験することになるのではないかと思います。

そうすると、会社に頼り、会社の安定を求めるのは危険かもしれません。


それであれば、自分を安定させるという考え方もできます。

会社に頼らなくてもよい、広く通用する経験やスキルを身につけるか、
自分にしかできないこと(秀でていること)を見つけて伸ばすことです。

会社の安定は自分ではコントロールできません。

自分の安定は自分でつくることができます。




2010年4月18日日曜日

志ある『人』が企業を育てる


最近、人材面に関して明るい記事が増えてきました。

具体的には早期退職や解雇という言葉より採用増加・育成強化
などのキーワードを見ることが増えてきたように感じます。

実際2月と3月は大手人材紹介会社は軒並み業績が良く
インテリジェンスでも、久しぶりに社内で目標達成という言葉が
多く聞こえていました。

マーケットは回復したのでしょうか。
日曜日の日経新聞には求人広告が出ていますが、
出ているのは金融・コンサルなど専門職がほとんどで、
数も以前と比べてまだ増えているということはなさそうです。

また、気になった記事で企業の数が減っているというものがありました。
(社説:「元気な経済」考/若い企業と伸びる事業にもっとお金を)

2004年から2006年にかけて年平均で全企業の6.2%が廃業。
それに対して開業した企業の比率は5.1%。
上場企業数も2006年末の2416社が2009年末に2334社に減少。

記事では資金面で企業を育てるということを中心に書いてありますが
チャレンジ精神を持つ人たちを、力が発揮できる環境に振り向けるのは
キャリアコンサルタントの仕事であり、
人材面においては中途採用だけでなく新卒、学生へのキャリア教育など
やれることがたくさんあると感じます。

特に、新しい企業は知らないから受けていないだけかもしれません。

例えば、今のトヨタやソニーだって創業期は小さい会社であり
そんな会社の創業期や成長期を経験して自分も成長したいという人も
多いのではないでしょうか。

もう少し若い会社でも楽天やDeNA、ミクシィやグリーなど知ってれば
創業期に入りたかったという人はいるでしょう。

もちろん上記のように大きく成長する企業ばかりではないからこそ
今のような時期には敬遠されがちですが、
大事なことは、チャレンジした人たちを社会が認め、
評価することなのではないかと思います。

そして、もしかしたら将来日本を代表するような会社が
今まさに生まれているところかもしれません。



2010年4月14日水曜日

思い出す就職活動の春


今日は土曜日出社の振替休日で、大学の図書館に行ってきました。

平日休みの時は大学の図書館に行くことが多いのですが、
図書館で読書や英語の勉強などもしつつ、
大学生の時に考えていたことなどが突然思い浮かんだりします。


そしてこの時期4月は一番キャンパスに学生が多い時期。
スーツで就職活動中の人も見かけます。

職業病なのか、就職活動うまくいっているのか
どうしても気になってしまいます。


自分の時はどうだったか、、、
心理学を大学院で研究していたので、
教育関係に行こうか、人材関係に行こうか、
メーカーなどの人事なども受けていました。

大学院の博士課程や高校の教員なども考えたのですが、
企業で働くことは今選ばないとできないと思い就職活動しました。

その中で、どうせなら1年で3年分位の経験を積んで
既に働いている大学の同期にも追いつき追い越したい
と思うようになり、今の会社を選びました。


もう一つ、決め手になったのは選考が楽しめたからです。

最初のセミナーでは若くて元気のいい社長が
「志望動機は聞かない」と言い放ち、
その後の選考の中では志望動機を聞かれることは一切なし。

一番自分が自然体で望むことができ、内定をもらえたので
ここならやっていけるはずだと思いました。


その会社で気づいたら、もう5年。

人材紹介の法人営業を2年半、キャリアコンサルタントを2年半。

300名以上の転職場面に立ち会うことができ、
お客様にもいろいろ教えてもらいました。


この5年。
10年分位の経験は積めたのだろうかと改めて思った一日でした。


時々は思い出がつまった場所に行ってみるのもいいかもしれません。

自然と何かしらの感情に気づくと思います。



2010年4月5日月曜日

相思相愛の秘訣:事例から探る面接対策法


一生懸命自分の気持ちを伝えているのに、
なぜか面接が通らない。


そんなことはありませんか?



多くの会社を受けていて、
残念なご連絡ばかりが続いてしまうと、
そのうちどうしたら面接が通るのか、
全く分からなくなってしまうこともあると思います。


そういった時は、一旦立ち止まって考えてみましょう。


「なぜ自分は次の面接に呼んでもらえなかったのだろうか?」



※直近1月~2月の面接お見送り理由:

・志望動機が明確ではない 28.7%

・社風とお人柄が合わない 24.6%

・スキル不足 15.0%

・論理性に欠ける 12.3%

・説得力に欠ける 5.4%



そして改めて、
自分に足りないことは何かを見直してみてください。


直近での面接のお見送り理由の中で一番多いのは
「志望動機が明確ではない」です。


一生懸命説明をしているのに、
なぜそんな風に捉えられてしまうのでしょうか?

それは、
気持ちが一方通行になってしまっているからかもしれません。


自分はこんな人間で、こんなことが出来ます、
という気持ちを伝えることはとても重要ですが、
時に相手がそれを求めていないこともあるのです。


大事なことは、
相手がどんな方を求めているのかを想像して、
出来る限り理解し、
それに対してどれだけ自分が当てはまっている人間なのか
を伝えることです。


そのために2つのことを準備しましょう。


◆企業を知る

・会社のホームページを見て会社の概要を理解する

・業界について調べて今後の展開を探る

・競合他社と比較をしたときの強みを知る

・仕事内容でどんな業務を任せてもらえるのかを理解する


上記を調べた上で、

「どんな志向性で、
どんなスキルを持っていて、
どんな性格の方が合うのか」

を想定します。


次に、自分がどれだけ当てはまっているのかを考えてみましょう。


◆自分を知る

・なぜその大学/学部を選んだのか整理する

・なぜこの会社を選んだのか整理する

・仕事の中でどんな工夫をしてきたのかをまとめる

・やりがいに感じたこと、喜びを感じたときについて思い返す


上記の決断において
「一番大事にしてきたこと」は何か振り返りましょう。

ここまでしっかり自己分析を行います。


その上で企業が求めていることに対して、

「自分は過去の経験からもこういう志向性があるから
御社で活躍が出来る」

と根拠を持って伝えてみてください。

必ず面接官の納得が得られると思います。



【企業を知り、自分を知る】
その上で相手が求めている人間にどれだけ自分が近いのか、
ということをアピールする。
それが選考通過の一番の近道です。


好きだからこそ、相手を思いやる。

相手の立場になって考えてみる。

そうすればきっと次はうまくいくはずです。



2010年3月7日日曜日

金融業界によくある転職理由


周囲の人がどんな理由で転職を考えているか、
知っていますか?


今回は、
金融業界出身者がどういった背景から転職を意識するのかを
まとめてみました。


■金融業界出身者が転職を考える理由ベスト5

1位 会社の将来性が不安 14.8%

2位 他にやりたい仕事がある 11.4%

3位 倒産/リストラ/契約期間の満了 7.9%

4位 専門知識・技術力を習得したい 6.1%

5位 顧客のためになる仕事がしたい 5.8%

※調査期間 2009年10月~2009年12月


経済環境を背景に将来性不安が、
転職を検討する第一位になっています。


金融業界では、
統合や事業撤退など業界再編の動きが加速している事もあり、
会社の将来性や雇用に対して不安を感じる方が増えています。


また、金融業界に特徴的に見られる傾向が
5位の顧客のためになる仕事がしたいというものです。


理由は様々ですが、
その中でも多くの方が以下のような理由を挙げられます。


個別商品にノルマが課せられる事があるため、
必ずしも顧客のニーズに応じた商品を提案することが難しく、
その点で顧客志向と目標との両立が難しいというものです。


特に金融商品は形がなく、市場に左右されるため、
市場が不安定な時は難しいということがあるのかもしれません。


そういった思いを持つ人は、
扱う商材を変えた営業職や、
金融業界の中でも

直接営業から間接営業、
新規開拓からルート型、
内勤的な要素の強い業務に

転職の機会を求めるなど、
諸条件よりも、
業務内容を重視して活動を開始する方が多いように思います。


転職活動を開始するとなると、
多くの人が上記のような転職理由の伝え方と
志望動機の伝え方に悩みます。


一般的にネガティブな理由を話しすぎると、
見送りになるケースが多いというのはよく言われています。


しかし、経済状況を考えると、
ポジティブなきっかけから転職を考える
というのも現実的には多くないという一面もあります。


そのため、
転職理由は多少ネガティブでも正直に伝えつつ、
今後やりたいことをきちんと話せるようにしておくということを
強くおすすめすることも多くなっています。



2009年12月13日日曜日

欲しいものは言語化しないと手に入らない


『自分が欲しいものを人に説明できますか?』


現状には課題を感じているし、何かを変えたい、とにかくこのままは嫌だ。
ただ、自分が本当に求めているものはわからない。


最初から絞り込むことは難しいし、間違うこともある。

だったら、いろんなタイプを見て少しずつ気づいていけばいいので、
動いてみよう。

最終的に自分が決断する時には、やっぱり自分が選ぶ理由が欲しい。

それは自分が主体的に選択したということ自体が、
苦しいことも乗り越える力になるから。


人は自分が選んだものに対して、それで良かったんだと思いたい本能がある。

だから選んだ理由が強固であれば、
それだけ覚悟を持ってその道を進むことができる。


それに、欲しいものがよくわからなかったら、
目の前にあっても見過ごしてしまうかもしれない。


キャリアコンサルタントとして、
欲しいものを言語化するお手伝いができれば、
と思います。



2009年12月12日土曜日

革命が好きらしい


どうやら自分は革命が好きらしい。


久しぶりのコメントで、何を書こうか、
でも開いた以上何か書きたいと思って
最後の書き込みから今日まで振り返ってみたときに
昨年は『水滸伝』にはまっていて、
2009年になってチェ・ゲバラの映画を観て
ついに今年の夏にはキューバに行ってきた。


どうして革命に魅かれるんだろう。

当たり前のことが当たり前ではなくなり、
それでも普遍的な正しさを求め、
答えがなくなる瞬間、その不可思議さかもしれない。


キューバにはマクドナルドもないし、
スターバックスもスーパーマーケットもない。

それでも、だからこそ、
音楽が溢れているように感じられた。



2008年5月5日月曜日

レーシック<その後>


見る目が変わったのは今年の2月だから、
もうすぐ3ヵ月になる。


すっかり今の状態に慣れてしまって、
今ではコンタクトや眼鏡を使っていたことさえ不思議な感覚だ。


仕事ではPCをよく使うし、仕事以外ではよく本を読んでいるので
視力がいいと少し疲れる。

それでも朝の煩わしさもなく、昼寝したって乾燥しないし、
夜は今までよりも多くの星が見える。


5年後・10年後どうなるかはわからないけど、
今をよりよく生きていくことを考えるならば
後悔することは何もない。


だから、周りの人にも薦めるし
実際に受けている人も増えている。


見る目が変われば、世界が変わる。


世界を変えるための一歩を踏み出すかどうかは自分次第。



2008年3月16日日曜日

天下をとった野武士たち


三洋電機ワイルドナイツ。


この野武士の集団には鉄の志があった。
『日本一になる』という強い意志が感じられた。

対するは常勝清宮サントリーサンゴリアス。
人気も資金力も日本代表の選手の数から見ても
今日本で一番強いと言われるチームだろう。

三洋電機は外国人選手の活躍が目立つが、キーマンの外国人選手にも
同じ軸があり、本当に全員が同じ場面で同じことを考え、
まさに全員で同じ一本の棒を持ちながら動いているかのようだった。


強い集団には志がある。
三洋電機ワイルドナイツはまさに、武士だった。

武士道とも言えるべき、精神がそこにあった。

そして本当に強かった。


日本が世界に向けて戦う時、
高校からラグビーを始める部員がほとんどの都立高校が
推薦入学で生徒を集める私立高校と戦う時、
必要なのは想像を絶する猛練習よりも、考え抜かれた理論よりも
チームとして鉄の志を持つことが、勝つためには必要だろう。


だから武士道。

これで戦っていくんだ。



山中祥男先生最終講義


『ラット-人間-カウンセリング』と題して
3月15日(土)快晴の中、上智大学10号館講堂にて行われた。


山中祥男先生は上智大学心理学科にて、
生理心理学を研究・講義され、今年度で定年退職される。


研究室では先生がいるとお酒を持って囲み、研究よりも
先生と他愛もないことを語ったりすることが多かった。


その中でも特に先生が話されたことで思い出深いことと言えば、
先生が大学生の頃の話。



特に学生運動のこととなると、感慨深いようで多くは語らず
さまざまな思いがこみ上げてくる様子で伝えてくれた。



話さずとも伝わることがある。


最終講義の中でも、沈黙の中で多くのことを伝えてくれた。



先生は物書きになりたかった。それで文学部。


早稲田大学の学生時代には心理学の授業よりも
考古学の先生に惹かれ、熱烈な勧誘も受けたという。


心理学は不思議なもので、いくら学んでもいっこうに
人の心はわからない。

わかった気になってしまうことが危険で、
心理学を学ぶことで人は人に対して、
より謙虚になっていかなければいけない。


だから先生は上智大学で授業を持つようになってから、
ひたすら謙虚に、仕事を選ばずにここまでやってこられた。


学生と向き合い、
学生を愛していたからこそ、
学生からも愛された。

どんな研究内容であっても、最後まで面倒をみてくれた。



人は欲深く、嘘をつき、人を裏切る。
それでも本当に人を深く愛している。



山中先生、
先生の研究室で過ごした3年間はかけがえのない時間でした。

謙虚に、誰とでも、どんな仕事でも全力で向き合う先生のように
これから頑張っていきたいと思います。

本当にありがとうございました。


<山中祥男先生略歴>

1942年 生まれ
1970年 早稲田大学文学研究科心理学専攻博士課程修了
職 歴 東京理科大学、筑波大学、早稲田大学等の講師を歴任、
    1986年より上智大学文学部心理学科教授
    その後、上智大学カウンセリング研究所所長を兼任
専 攻 生理心理学、精神生理学

(主著・訳書)
『行動科学としての心理学』(共著、芸林書房)
『バイオフィードバック』(共著、誠信書房)
『教育心理学序説』(共著、福村出版)
『痛み-基礎と臨床-』(共著、朝倉書店)
『心理学-theory & exercise-』(共著、福村出版)
『人間理解の心理学』(共著、北樹出版)
『Pain』(朝倉書店、共著)
『痛みの世界』(共著、至文堂)
『精神生理学入門』(共訳、東京大学出版会)


『心理学でなにがわかるか、なにができるか』