2008年3月16日日曜日

天下をとった野武士たち


三洋電機ワイルドナイツ。


この野武士の集団には鉄の志があった。
『日本一になる』という強い意志が感じられた。

対するは常勝清宮サントリーサンゴリアス。
人気も資金力も日本代表の選手の数から見ても
今日本で一番強いと言われるチームだろう。

三洋電機は外国人選手の活躍が目立つが、キーマンの外国人選手にも
同じ軸があり、本当に全員が同じ場面で同じことを考え、
まさに全員で同じ一本の棒を持ちながら動いているかのようだった。


強い集団には志がある。
三洋電機ワイルドナイツはまさに、武士だった。

武士道とも言えるべき、精神がそこにあった。

そして本当に強かった。


日本が世界に向けて戦う時、
高校からラグビーを始める部員がほとんどの都立高校が
推薦入学で生徒を集める私立高校と戦う時、
必要なのは想像を絶する猛練習よりも、考え抜かれた理論よりも
チームとして鉄の志を持つことが、勝つためには必要だろう。


だから武士道。

これで戦っていくんだ。



山中祥男先生最終講義


『ラット-人間-カウンセリング』と題して
3月15日(土)快晴の中、上智大学10号館講堂にて行われた。


山中祥男先生は上智大学心理学科にて、
生理心理学を研究・講義され、今年度で定年退職される。


研究室では先生がいるとお酒を持って囲み、研究よりも
先生と他愛もないことを語ったりすることが多かった。


その中でも特に先生が話されたことで思い出深いことと言えば、
先生が大学生の頃の話。



特に学生運動のこととなると、感慨深いようで多くは語らず
さまざまな思いがこみ上げてくる様子で伝えてくれた。



話さずとも伝わることがある。


最終講義の中でも、沈黙の中で多くのことを伝えてくれた。



先生は物書きになりたかった。それで文学部。


早稲田大学の学生時代には心理学の授業よりも
考古学の先生に惹かれ、熱烈な勧誘も受けたという。


心理学は不思議なもので、いくら学んでもいっこうに
人の心はわからない。

わかった気になってしまうことが危険で、
心理学を学ぶことで人は人に対して、
より謙虚になっていかなければいけない。


だから先生は上智大学で授業を持つようになってから、
ひたすら謙虚に、仕事を選ばずにここまでやってこられた。


学生と向き合い、
学生を愛していたからこそ、
学生からも愛された。

どんな研究内容であっても、最後まで面倒をみてくれた。



人は欲深く、嘘をつき、人を裏切る。
それでも本当に人を深く愛している。



山中先生、
先生の研究室で過ごした3年間はかけがえのない時間でした。

謙虚に、誰とでも、どんな仕事でも全力で向き合う先生のように
これから頑張っていきたいと思います。

本当にありがとうございました。


<山中祥男先生略歴>

1942年 生まれ
1970年 早稲田大学文学研究科心理学専攻博士課程修了
職 歴 東京理科大学、筑波大学、早稲田大学等の講師を歴任、
    1986年より上智大学文学部心理学科教授
    その後、上智大学カウンセリング研究所所長を兼任
専 攻 生理心理学、精神生理学

(主著・訳書)
『行動科学としての心理学』(共著、芸林書房)
『バイオフィードバック』(共著、誠信書房)
『教育心理学序説』(共著、福村出版)
『痛み-基礎と臨床-』(共著、朝倉書店)
『心理学-theory & exercise-』(共著、福村出版)
『人間理解の心理学』(共著、北樹出版)
『Pain』(朝倉書店、共著)
『痛みの世界』(共著、至文堂)
『精神生理学入門』(共訳、東京大学出版会)


『心理学でなにがわかるか、なにができるか』